歌よみに与ふる書 (言葉の意味)

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候文について

申候(もうしそうろう)
存申候(ぞんじもうしろうそう)
不申候(もうさずそうろう)
有之候(これありそうろう)
可有之候(これあるべくそうろう)
相成(あいなり)申候
如何申す(いかがもうす)
相成間敷(まじく)候
可致(いたすべく)候
可被下候(くださるべくそうろう)
可被成(なさるべく)
被思候(おもわれそうろう)
被下度(くだされたく)
可申上候(もうしあぐべくそうろう)

[その他の例]
被下候(くだされそうろう)
被致候(いたされそうろう)
為致候(なしいたしそうろう)
可被成候(なられるべくそうろう)
可為無用(むようたるべし)
為其(そのため)

[一]

余唾(よだ)
・唾液の余り

舐る(ねぶる)(なめずる)
・なめる。なままわす。

糟粕(そうはく)
・酒のかす。
・そこから、渋みを取った残りかす。精神の抜けた外形。「古人の―」

屹然(きつぜん)
・山などが高くそびえるさま
・独立して屈しないさま

佶屈(きっくつ)
・詰まって、かがっている(縛り束ねているように編むような)様子。
・文章・文字が堅苦しく難解なこと。

楫取魚彦(かとりなひこ)(1723-1782)
・江戸時代中期。国学者にして歌人。賀茂真淵(かものまぶち)に師事、万葉風歌風を得る。歴史的仮名遣を研究した「古言梯」。歌集「楫取魚彦家集」など。

端唄(はうた)
・江戸時代の流行的三味線小唄。

後鴻(こうこう)
・鴻(こう、すなわち大きな鳥)の後ろに。

不具(ふぐ)
・言い足りず、整わない。手紙の末尾に記す。

[二]

生(せい)
・男子の謙称(けんしょう)。つまり謙遜した言い方。書簡の署名にも使う。小生(しょうせい)なども。

狩野探幽(かのうたんゆう)(1602-1674)
・江戸初期の画家。幅広い画技を有し、幕府の御用絵師として、一門の繁栄を築いた。二条城・名古屋城の障壁画など。古画を縮写した「探幽縮図」など。(広辞苑抜粋)

香川景樹(かがわかげき)(1768-1843)
・江戸時代後期の歌人。小沢蘆庵・香川景柄の門人。歌は自然な感情を調べとし、平易な言葉でよむべきとし、「新学(にいまなび)異見」を著して賀茂真淵の崇古主義に反対。その派を桂園派という。歌集「桂園一枝」、著「古今和歌集正義」。(広辞苑抜粋)

玉石混淆(ぎょくせきこんこう)

雅俗巧拙(がぞくこうせつ)

籠絡(ろうらく)
・うまく丸め込んで、己の望むとおりに図ること。

活眼(かつがん)
・物事の道理をはっきりと見極めた眼

不尽(ふじん)
・書物の最後にしるす。十分に言い尽くせていない。

[三]

自惚れ・己惚れ(うぬぼれ)

文盲浅学(もんもうせんがく)
・文章が読めなく、学問が浅い

罵詈讒謗(ばりざんぼう)
讒謗罵詈(ざんぼうばり)
・ありとあらゆるののしりを上げること。

浅見(せんけん)
・浅はかな考え。自分の考えを謙遜していう場合もある。

慷慨(こうがい)
・社会の不義や不正を憤って嘆くこと。

佳汁(かじゅう)
・佳作の汁といった意味のようだ。

宗旨(しゅうし)
・宗門の狭義内容の趣旨のこと/宗派・宗門を指す/自分の主義など

海容(かいよう)
・(海がすべてを容れるように)寛大の心で、他人の罪を許すこと。「御海容下さるべく」

[四]

傍人(ぼうじん)
・傍にいる人。

贅物(ぜいぶつ)
・無駄なもの。無益なもの。
・贅沢なもの。

八田知紀(はったとものり)(1799-1873)
・幕末から明治初期にかけて活躍した歌人。香川景樹に師事。熊谷直好とともに桂園門下の高弟。宮内省歌道御用掛。家集「しのぶ草」、歌論「調の直路」。

[五]

「六」

愚意(ぐい)
・愚見。自分の意見の謙譲語。

撞着(どうちゃく)
・ぶつかること。つきあたること。
・前後のつじつまが合わないこと。矛盾。
→自家撞着(じかどうちゃく)
→同じ人の言行が前後に食い違っていること。自家撞着に陥る。

吾人(ごじん)
・われ。わたくし。
・われわれ。

忖度(そんたく)
・人の心中を推し量ること。

風帆船(ふうはんせん)
・西洋型の、帆船(はんせん・ほぶね)。

錯雑(さくざつ)
・入り交じること。込み入っていること。

序次(じょじ)
・順序。次第。

疾呼(しっこ)
・忙しく叫ぶこと。激しく叫ぶこと。

恐懼(きょうく)
・恐れかしこまること。

僅少(きんしょう)
・ごくわずか。少しばかり。

[七]

宗匠(そうしょう)
・和歌・俳諧・茶道などの文芸で、その道の師匠。

馳駆(ちく)
・馬を走らせること。
・いろいろ走り回ること。奔走。

思惟(しい)
・(仏)心を集中させ、考えを巡らせること。しゆい。
・こころで深く考え思うこと。

[八]

嘆賞(たんしょう)
・感心して褒めること。

斡旋(あっせん)
・事が進展するように、人と人の間を取り持つこと。

破天荒(はてんこう)
・「天荒」は天地未開の時の混沌たるさまで、これを破りひらく意)今まで誰もしなかったことをすること。未曾有。前代未聞。(広辞苑より)

懾伏(しょうふく)
・恐れてひれ伏すこと。

真率(しんそつ)
・正直で、飾り気がないこと。

守株(しゅしゅ)
・[韓非子(五蠧)「因(よ)りて其の耒(らい)を釈(す)てて株を守り、復た兎を得んことを冀(こいねが)えり」](宋の農夫が、兎がたまたま切株にぶつかって死んだのを見て、その後耕作をしないでその株を見張って再び兎を得ようと願った故事から)古い習慣を固守して時に応ずる能力のないこと。少しの進歩もないこと。株(くいぜ)を守る。(広辞苑より)

索然(さくぜん)
・空虚な、興ざめするようなさま。

造詣(ぞうけい)
・学問、技芸などが深くに達していること。

[九]

悟入(ごにゅう)
・(仏)心理を悟って、その心理に入ること。

[十]

素寒貧(すかんぴん)
・全く持って貧乏なこと。貧乏な人。

月並(つきなみ)
・毎月。月ごとの意味。
・子規が在り来たりの、続々排出されるような和歌や俳句を作る人々をこう呼んだりしているうちに、平凡、陳腐といった意味が生まれたという。

地口(じぐち)駄洒落
・同一の、似たような発音の違った意味を掛け合わせた駄洒落。

半可通(はんかつう)
・よく知りもしないくせに、通人ぶったやから。

2010/1/29

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