神社の鳥居が光をうけて
楡(にれ)の葉が小さく揺すれる
夏の昼の青々した木蔭は
私の後悔を宥(なだ)めてくれる
暗い後悔 いつでも附纏ふ後悔
馬鹿々々しい破笑にみちた私の過去は
やがて涙つぽい晦暝(くわいめい)となり
やがて根強い疲労となつた
かくて今では朝から夜まで
忍従することのほかに生活を持たない
怨みもなく喪心したやうに
空を見上げる私の眼(まなこ)――
神社の鳥居が光をうけて
楡の葉が小さく揺すれる
夏の昼の青々した木蔭は
私の後悔を宥めてくれる
2009/2/3