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いとしい者の上に風が吹き 私の上にも風が吹いた
いとしい者はたゞ無邪気に笑つてをり 世間はたゞ遥か彼方[かなた]で荒くれてゐた
私は手で風を追ひのけるかに わづかに微笑[ほほえ]み返すのだつた
いとしい者はたゞ無邪気に笑つてをり 世間はたゞ遥か彼方で荒くれてゐた
(一九三五・九・一九)
2011/1/31
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