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幼き恋は 燐寸[マッチ]の軸木 燃えてしまへば あるまいものを
寐覚[ねざ]めの囁[ささや]きは 燃えた燐[りん]だつた また燃える時が ありませうか
アルコールのやうな夕暮れに 二人は再びあひました―― 圧搾酸素[あっさくさんそ]でもてゝいる 恋とはどんなものですか その実今は平凡ですが たつたこなひだ燃えた日の 印象が二人を一緒に引きずつてます 何の方へです―― ソーセーヂが 紫色に腐れました―― 多分「話の種」の方へでせう
2009/04/27
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