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残[のこ]んの雪が瓦に少なく固く 枯木の小枝が鹿のやうに睡(ねむ)い、 冬の朝の六時 私の頭も睡い。
烏が啼いて通る―― 庭の地面も鹿のやうに睡い。 ――林が逃げた農家が逃げた、 空は悲しい衰弱。 私の心は悲しい……
やがて薄日が射し 青空が開(あ)く。 上の上の空でジュピター神の砲(ひづつ)が鳴る。 ――四方(よも)の山が沈み、
農家の庭が欠伸(あくび)をし、 道は空へと挨拶する。 私の心は悲しい……
2009/02/21
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