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昼、寒い風の中で雀を手にとつて愛してゐた子供が、 夜になつて、急に死んだ。
次の朝は霜が降つた。 その子の兄が電報打ちに行つた。
夜になつても、母親は泣いた。 父親は、遠洋航海してゐた。
雀はどうなつたか、誰も知らなかつた。 北風は往還を白くしてゐた。
つるべの音が偶々(たまたま)した時、 父親からの、返電が来た。
毎日々々霜が降つた。 遠洋航海からはまだ帰れまい。
その後母親がどうしてゐるか…… 電報打つた兄は、今日学校で叱られた。
2009/02/20
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