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冬の夜に 私の心が悲しんでゐる 悲しんでゐる、わけもなく…… 心は錆びて、紫色をしてゐる。
丈夫な扉の向ふに、 古い日は放心してゐる。 丘の上では 棉[わた]の実が罅裂(はじ)ける。
此処(ここ)では薪が燻(くすぶ)つてゐる、 その煙は、自分自らを 知つてでもゐるやうにのぼる。
誘はれるでもなく 覓(もと)めるでもなく、 私の心が燻る……
2009/02/21
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