ぬすびと (宮沢賢治)

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ぬすびと

青じろい骸骨星座のよあけがた
凍えた泥の乱(らん)反射をわたり
店さきにひとつ置かれた
提婆[だいば]のかめをぬすんだもの
にはかにもその長く黒い脚をやめ
二つの耳に二つの手をあて
電線のオルゴールを聴く

言葉の意味

[骸骨星座]
・実在の星座ではなく、夜明けの薄明に残る明るき星のみが作り出した骨格のみの星座の名残だとも。どこかのサイトでは、借りに「さそり座」としてシュミレートしていた。

[提婆(だいば)]

・「提婆達多(だいばだった)」。釈迦の弟子だったが後に離反した者として記憶される。

2009/05/13

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