コバルト山地 (宮沢賢治)

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コバルト山地

コバルト山地(さんち)の氷霧(ひようむ)のなかで
あやしい朝の火が燃えてゐます
毛無森(けなしのもり)のきり跡あたりの見当(けんたう)です
たしかにせいしんてきの白い火が
水より強くどしどしどしどし燃えてゐます

言葉の意味

[コバルト山地]
・北上平野から見た北上山地を表現したとされるようだ。

[氷霧(ひょうむ)]
・水蒸気が凝結しつつ細かい氷晶となって、霧のように立ち込めるもの。「こおりぎり」とも。

[毛無森]
・岩手県盛岡市、花巻市にある森の名前。

2009/05/13

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