夏目漱石、三四郎10

[Topへ]

夏目漱石、三四郎10

必定(ひつじょう)

・必ずそうなると定められていること。
・きっと。必ず。

唐紙(からかみ)

・もともと、中国渡来の紙のこと。さらに日本で真似て作った紙のこと。
・やがて襖(ふすま・木枠格子に紙などを貼った障子)に貼る紙を指すようにもなった。

いずまい(居住まい)

・座っている姿勢のこと。

紛擾(ふんじょう)

・紛争。争いもめること。

ハイドリオタフヒア

・17世紀のイギリス人サー・トーマス・ブラウン(1605-1682)の記した「壷葬論 Urn Burial or Hydriotaphia」のこと。

寂寞(じゃくまく・せきばく)

・物寂しく静かでひっそりとしているようす。

滄桑の変(そうそうのへん)

・「滄海」(大海原)が「桑田」(桑畑)に変じるほど、世の中の移り変わりが激しいという意味から。
・世の中が急速に移り変わること。

一編(いっぺん)

・一つの纏まった文章・論文など。
・幾つかの文章を纏めた一つの書物。

苦悶(くもん)

・苦しみ悶(もだ)えること。

寂滅(じゃくめつ)

・仏教用語。煩悩を解消し真理の智恵に到達した状態。最終的な悟りの境地。涅槃(ねはん)。
・消滅すること。死ぬこと。
[涅槃(ねはん)]
・サンスクリットのニルヴァーナ(nirvana)を音写したもの。意訳漢字だと寂滅、寂静、不生不滅となる。煩悩の炎を吹き消した状態を指す。

夭折(ようせつ)

・まだ若いのに亡くなること。夭逝(ようせい)。

幔幕(まんまく)

・式場やいくさの時などに、会場や陣地の周囲に張り巡らせた幕。

しだらなく

・だらしなくと同じ。

正鵠(せいこう・「せいこく」が正式)

・弓を射る時の的の中心部分の●。
・物事の急所。

猪牙舟(ちょきぶね)

・江戸時代に都市内の水路を行き交った屋根のない細長い船。時代劇などでしばしば目にするやつ。とくに吉原通いの船としても知られる。

入夫(にゅうふ)

・入り婿(いりむこ)
・戸主たる女性の方に男性が嫁つぎ入ること。

離合集散(りごうしゅうさん)

・人々が寄せ集まって仲間になったり、別れたりすること。

見世・店(みせ)

・「見せ棚(みせだな)」から来ている。
・商品を並べておくところ。商品棚。商店。
・江戸時代の遊廓で、客呼びをするために遊女が見えるようになった格子付きの座敷。張り見世。

身代(しんだい)

・個人の財産。身上(しんしょう)
・暮らし向き。

ピエール・ロティ(ロチ)(1850-1923)

・フランスの流行作家。軍人として各国を巡った情報を元に活躍。1885年に長崎に滞在した時の経験をもとに、「お菊さん(マダム・クリザンテエム)」(・・・怪談物じゃないよ)を執筆した。長崎で娘さんと出稼ぎ結婚もどきの生活を楽しんだというもので、大失笑オペラ「蝶々夫人」の原作者ジョン・ルサ-・ロング(1861~1927)もこの小説を読んでから日本に関心を持ったと云うから、あるいは何パーセントかは内容が割り込んでいるのかも知れない。さらに1900年にまた長崎を訪れて「お梅さんの三度目の春」という小説も残しているそうだ。

審美眼(しんびがん)

・審美(美しいもの醜いものを見分けること)のための眼ということ。
・美しさを見分ける能力。諸芸術に対する目利き。

西川祐信(すけのぶ)(1671-1750)

・やはり江戸時代に美人画を得意とした浮世絵師。

安慰(あんい)

・慰めて、人の心を安らかにすること。

敬服(けいふく)

・感心して敬意の念を深めること。

いいぐあい

「全然よくないわい!」(by三四郎)

ドラスティック

・徹底的で激烈なようす。
・そんな言葉は「三四郎」には使用されてないはずだが?



[上層へ]